「社内SEへ転職したら、今の経験で通用するのだろうか」「仕事が合わず、後悔しないだろうか」と不安になる方もいると思います。
私もSIerでインフラエンジニアとして7年働いたあと、社内SEへ転職しました。転職前は、自分の力で役に立てるのか、人間関係になじめるのかが不安でした。
実際に働いてみると、社内SEは想像していたよりも手を動かす場面が多く、クラウドに幅広く携われる現在の仕事を楽しいと感じています。一方で、社内の各部署との調整は思っていた以上に大変でした。また、将来異動する可能性まで考えると、転職前に確認しておけばよかったこともあります。
この記事では、SIerから社内SEへ転職した私が感じたメリットと、会社選びで確認不足だった点を正直にまとめます。
結論:社内SEへ転職したこと自体は後悔していない
現時点では、社内SEへ転職したことを後悔していません。転職後は年収が約150万円上がり、残業時間の波も小さくなりました。45時間を超えるような月がなくなり、以前より予定を立てやすくなっています。
仕事内容では、AWSのさまざまなサービスや構成に触れられるようになりました。SIer時代はプロジェクト内の担当が細かく分かれ、狭い範囲しか経験できないと感じることがありました。現在はクラウド案件に幅広く携われるため、転職時に希望していた働き方に近づいています。
ただし、「社内SEならどの会社でも同じ」とは思いません。会社や配属部署によって、仕事内容も働き方も大きく変わる職種だと感じています。
転職前に不安だった3つのこと
今の自分の力で通用するか
転職前は、7年間のインフラ経験があっても、新しい会社で通用するのか不安でした。AWSの実務経験は約3年、OCIは約2年ありましたが、担当してきた範囲は限られていました。
入社後は、若手の方が各AWSサービスの使われ方や構成を詳しく知っていると感じる場面もありました。それでも、オンプレミスからクラウドへの移行経験や、複数のクラウドに触れてきた経験は仕事に生かせています。すべてを知ってから転職する必要はなく、自分が経験してきたことと、これから学ぶことを分けて考えるのが大切でした。
本当に役に立てるか
新しい環境で、自分がどのように役に立てるのかも不安でした。社内SEは社内や事業会社の方が相手になるため、技術だけでなく、相手の業務や困りごとを理解する必要があります。
実際には、利用する方の反応を直接聞ける場面があり、役に立てたことが伝わりやすくなりました。これはSIer時代との大きな違いで、現在の仕事でやりがいを感じる部分です。
人間関係になじめるか
人間関係は、入社してみなければ分からない部分があるため不安でした。面接では配属先の課長や部長と話す機会があり、抱えている課題や仕事の進め方を聞けたことで、入社後を想像しやすくなりました。
社員の雰囲気を会社選びの判断材料にしたことは、結果的によかったと思います。
入社後、途中参加したチームで7年の経験が役立った場面
新しい会社で役に立てるかという不安に対して、実際に支えになったのは、SIerで設計から運用まで経験していたことでした。途中から参画したチームでも、設計内容やアーキテクチャを理解でき、経験していたクラウドのGUI操作にも大きく戸惑わずに入れました。
サブリーダー経験は、役職を続けるためだけの経験ではありませんでした。メンバーの状況を見て、大変そうなときに作業を引き受けることや、状況に応じて判断・調整することにも生きています。一方で、社内独自の決まりや進め方は新しく覚える必要がありました。経験が役立つ部分と、入社してから学ぶ部分が両方あったというのが私の実感です。
想像より手を動かす仕事が多く、楽しかった
社内SEには、調整や管理の仕事が中心というイメージもありました。しかし、私の現在の仕事では、想像していたよりも自分で手を動かします。
AWSのTGW、WAF、CloudFront、API Gateway、コンテナなど、転職後に初めて経験したサービスや構成もあります。調べて設計や構築に反映する仕事があるため、技術を学びながら働ける点を楽しいと感じています。
社内SEという職種名だけで仕事内容を判断せず、求人票や面接で「設計・構築をどこまで自社で行うのか」「ベンダーへ任せる範囲はどこか」を確認したほうがよいと思います。
想像より大変だったのは、社内の各部署との調整
一方で、社内の各部署との調整は想像していたより大変でした。SIerでは上位者から振られたタスクを進めることが多かったのですが、社内SEでは社内や事業会社の方と直接話し、自分で仕事を得て進める場面があります。
相手によって、ITの知識や優先したいことは異なります。技術的に正しい説明をするだけではなく、相手の業務への影響を考えながら伝え、認識を合わせなければなりません。
お客様との関係とは違うため、私は以前よりストレスが低いと感じています。ただし、コミュニケーションが少ない仕事ではありません。むしろ、社内のさまざまな立場の方と調整する力が必要です。
確認不足だったのは、異動後の働き方
会社を選ぶときは、配属予定の部署で自分のやりたいことができるかを重視しました。実際に、現在の部署では希望していたクラウド案件へ積極的に携われています。
ただ、今振り返ると、「もし異動した場合も前向きに働けるか」「ほかの部署にも魅力を感じられるか」まで確認しておけばよかったと思います。
現在の部署以外では、やりたい仕事ができず、やりがいを感じられないのではないかという不安があります。異動先では人間関係も変わるため、その点も気になります。
配属予定部署の魅力だけで入社を決めるのではなく、会社全体でどのような仕事があり、異動後にも自分の経験を生かせるかを見ることが大切でした。
社内SEへの転職前に確認したいこと
私がもう一度会社選びをするなら、次の点を面接や面談で確認します。
- 配属部署で担当する業務と、自分で手を動かす範囲
- 設計・構築と、調整・定常業務のおおよその割合
- 社内の各部署と、どのように仕事を進めるか
- 異動の頻度と、異動先として考えられる部署
- ほかの部署ではどのようなキャリアを築けるか
- マネジメント以外に、技術を極めるキャリアがあるか
- 配属先の上司や社員と話す機会があるか
すべてを確認しても、入社後のことを完全に予想するのは難しいです。それでも、職種名や配属予定部署だけでなく、異動後まで含めて考えておくと、長く働ける会社か判断しやすくなります。
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私は社内SE転職ナビを利用した経験はありませんが、社内SEに特化した求人を探したい方は、選択肢を広げるために確認しておくとよいと思います。配属部署だけでなく、異動先や技術職としてのキャリアも面談で確認してみてください。
社内SEに向いていると思う人
実際に働いた経験から、社内SEは次のような方に向いていると思います。
- 利用する方の反応を近くで感じたい方
- 安定した環境で働きたい方
- 技術だけでなく、社内調整にも取り組める方
- 定常業務も必要な仕事として進められる方
- 会社の業務や事業にも関心を持てる方
ただし、技術に触れられる範囲は会社によって違います。技術を続けたい方は、「社内SE」という名前だけで決めず、具体的な仕事内容を確認する必要があります。
まとめ
私はSIerから社内SEへ転職し、現在のところ大きな後悔はありません。年収や働き方が改善し、想像以上に手を動かす仕事も多いため、楽しく働けています。
転職前に不安だった「通用するか」「役に立てるか」という点も、これまでの経験を生かしながら、新しい知識を学ぶことで少しずつ対応できました。一方、社内の各部署との調整は想像以上に大変です。
そして一番の反省は、配属予定部署だけでなく、異動後にも前向きに働けるかを確認していなかったことです。社内SEへの転職を検討している方は、現在の配属先だけでなく、会社全体の仕事内容やキャリアも確認してみてください。
SIerと社内SEの仕事の進め方や向いている人の違いは、SIerから社内SEへ転職して感じた違いで詳しくまとめています。
内定先を比較したときに重視した条件は、SIerと社内SEの内定2社を比較した記事も参考にしてください。
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