どちらも魅力があり、内定を選べないことはないですか?
内定が2社出ると、うれしい反面、回答期限までに1社を選ぶ必要があります。年収が高い会社、仕事内容が希望に近い会社、社員の雰囲気がよい会社を感覚だけで比べると、決めた後も迷いが残ります。私はSIerと社内SEの2社を比較し、年収、業種、クラウド案件、キャリア、社員の雰囲気を確認して社内SEを選びました。
私が最後に迷ったのは給与。決め手はクラウドと仕事の波だった
私がSIerと社内SEの内定2社を比べたとき、最後まで迷った条件は給与でした。それでも最終的には、「クラウドをやりたい」という希望が実現できるか、仕事の波が少なそうか、という2点で社内SEを選びました。
前職ではプロジェクトが細分化され、自分の担当範囲が狭いことにも不満がありました。年収だけを見て決めると、転職してもやりたい業務に近づけないかもしれない。私にとっては、その点も会社選びの軸でした。
入社前の「波が少なそう」は見込みでした。転職後の実感としては、残業が同じくらいでも月ごとの差が小さくなり、45時間を超える月がなくなっています。以下のExcelと点数は、その判断を読者が整理するための手順例で、当時の私の採点結果ではありません。
6ステップで「決めた理由が残る比較表」を作ります
手順は、①条件を集める、②比較項目を決める、③重要度を付ける、④2社を採点する、⑤不明点を確認する、⑥最悪のケースを比べる、の6ステップです。
年収だけでなく、配属予定部署から異動した場合も前向きに働けるかまで確認します。比較表は正解を自動で出す道具ではありません。何を確認せずに承諾しようとしているかを見つけるために使います。
ステップ1:求人票・面接メモ・条件通知書を1か所へ集める
パソコンでエクスプローラーを開き、左側の「ドキュメント」を押します。上部の「新規」→「フォルダー」を選び、フォルダー名を「内定比較_2026」にします。
フォルダー内に、次の資料を保存します。
- A社とB社の求人票
- 面接後に書いたメモ
- エージェントから届いた条件の連絡
- 労働条件通知書または採用条件が分かる資料
- 確認したい質問の一覧
メールや転職サービス内だけに情報を残すと、回答期限直前に探し直すことになります。PDFとして正規に保存できない画面は無理に複製せず、メール件名・受信日・確認した条件・元画面のURLを自分のメモへ記録します。社外秘、個人情報、企業から転載を禁じられた内容は保存先へコピーしません。
ステップ2:Excelに比較する項目を入力する
Excelを開き、開始画面の「空白のブック」を押します。A1セルから「比較項目|重要度|A社|A社の根拠|B社|B社の根拠|未確認事項」と入力します。
比較項目は、次の12個から始めます。
「想定年収、残業の波、休日・夜間対応、仕事内容、クラウド案件の割合、手を動かす範囲、技術職キャリア、配属部署、異動先、社員の雰囲気、通勤・リモート、評価制度」
私の場合、前職の評価制度、給与、残業の波、担当範囲が狭いことが転職理由でした。この経験を踏まえ、以下の表では、同じ不満が再発しないかを確認する項目を設けています。
A社がSIer、B社が社内SEの場合の入力例:
「仕事内容|5|顧客案件の設計構築|求人票と面接回答|社内向けクラウド基盤|配属先課長の説明|異動後の業務」
ステップ3:重要度を1~5で付ける
重要度は、5=入社判断を変える、4=かなり重視する、3=比較材料、2=あればよい、1=ほぼ影響しない、とします。
重要度を先に決める理由は、内定後に提示された高い年収など、目立つ条件へ全体の判断が引っ張られるのを防ぐためです。
入力例:
- 仕事内容:5
- クラウド案件の割合:5
- 残業の波:5
- 技術職キャリア:4
- 異動先:4
- 年収:4
- リモート:2
Excel上部の「データ」タブを開き、「データ ツール」グループの「データの入力規則」を押します。「設定」タブの「入力値の種類」で「リスト」を選び、「元の値」に「1,2,3,4,5」と入力して重要度を選べるようにします。
ステップ4:事実が確認できる項目だけ0~2点で採点する
A社とB社は、0=希望と合わない、1=一部合う、2=希望に合う、で採点します。未確認は空欄にし、1点へ混ぜません。
「A社の根拠」「B社の根拠」には、情報源も書きます。入力例は「求人票」「一次面接で課長が説明」「条件通知書」「エージェント回答」です。
入力例:
「クラウド案件の割合|5|空欄|クラウド案件はあるが配属未定|2|配属先でAWS案件を担当予定|A社の配属確度」
「残業の波|5|空欄|平均時間のみ確認|2|45時間を超える月は基本的にないと説明|繁忙期の実績値」
根拠がない項目は点数を空欄にし、「未確認事項」へ質問を書きます。上の例は説明用で、実際の内定条件を再現したものではありません。「空欄」は説明用の語なので、実際の点数セルは未入力にしてください。
全項目の確認が終わってから、必要なら合計点を出します。未確認が残る間は合計点で比較しません。計算する場合は、「重要度×会社の点数」を各行で計算します。たとえば重要度がB2、A社点数がC2なら、別列へ「=B2*C2」と入力します。数式の区切りやセル位置は実際の表に合わせてください。
ステップ5:点数が変わる不明点だけ質問する
未確認事項をすべて質問すると、相手にも自分にも負担がかかります。「回答次第で0点または2点に変わる項目」から確認します。
私が今なら確認する質問は次のとおりです。
- 配属予定部署から異動する可能性と、おおよその頻度を教えてください
- 異動先として考えられる部署では、どのような業務を担当しますか
- 異動後もクラウドやインフラの経験を生かせますか
- マネジメント以外に、技術を深めるキャリアはありますか
- 月平均残業時間だけでなく、最も多い月のおおよその時間を教えてください
エージェント経由の内定なら、担当者とのメッセージ画面を開き、画面にある入力欄へ質問をまとめます。入力後は「送信」「メッセージを送る」など、現在の画面に表示された送信操作を使います。
入力例:
「内定条件を検討するため、2点確認をお願いいたします。①配属予定部署から異動する可能性と候補部署、②異動後にクラウド経験を生かせる業務があるかをご確認いただけますでしょうか。」
回答期限が迫っている場合は、質問と一緒に「いつまでに回答可能か」も確認します。承諾期限の延長は保証されないため、必要なら「○月○日まで延長可能でしょうか」と担当者へ依頼し、企業からの回答を待ちます。
ステップ6:最悪のケースを2社で比較する
高得点の会社を選ぶ前に、「期待どおりでなかった場合」を書きます。
A社の入力例:
「希望していたクラウド案件へすぐ配属されず、SIer特有の繁忙期が続く」
B社の入力例:
「配属先ではクラウドに携われるが、異動後は定常業務が中心になる」
次に、「その状況でも1年間働きながら改善策を取れるか」を○・△・×で判定します。改善策の例は、社内公募、資格取得、上司とのキャリア面談、担当変更です。制度が実在するかは、面接や人事への質問で確認します。
私は配属予定部署の魅力を重視しましたが、今振り返ると、他部署にも魅力を感じられるかまで確認したほうがよかったと思います。比較表には「異動先」を独立した項目として残してください。
つまずきやすい箇所と対処
年収を月額だけで比較する
基本給、賞与、固定残業代、各種手当を分けて確認します。想定年収の計算方法が条件通知書にない場合は、エージェントまたは企業へ質問します。
社員の雰囲気を点数にできない
「感じがよかった」ではなく、確認できた行動へ変えます。入力例は「配属先の課長・部長が現在の課題と仕事の進め方を具体的に説明した」です。
合計点が高い会社を自動的に選ぶ
重要度5の項目に0点がある場合は、合計点とは別に確認します。高い合計点で、譲れない条件の不一致を隠さないようにします。
選んだ理由と残るリスクを3文で言えればOK
比較表を見ながら、次の3文を作ります。
「B社を選ぶ理由は、希望していたクラウド案件へ携われ、技術職としてのキャリアも確認できたためです。」
「年収だけでなく、残業の波と社員の雰囲気も希望に近いと判断しました。」
「一方で、異動後の仕事内容には不明点が残るため、入社前に候補部署を確認します。」
決定理由だけでなく、残るリスクまで言えれば、感覚だけの比較ではありません。回答を保存し、転職半年後に実際との差を振り返ります。
社内SEを候補に含める場合は、社内SEに特化した求人を並べると、業務内容や待遇の違いを比較しやすくなります。私は社内SE転職ナビを利用した経験はありません。求人確認の選択肢として紹介し、利用経験があるような表現は避けます。
内定先を絞った後、入社後の仕事や残業がイメージできない方は、SIerから社内SEへ転職した後の仕事内容・残業の変化を参考に、自分の配属先で承諾前に確認しておきたい項目をメモしてください。

